⽗なる信仰、赦されざる愛。

英国インディペンデンド映画祭 5部門ノミネート(作品・脚本・主演女優・助演女優・助演男優)

『⼥王陛下のお気に⼊り』アカデミー賞助演⼥優賞ノミネート レイチェル・ワイズ、『スポットライト 世紀のスクープ』アカデミー賞助演⼥優賞ノミネート レイチェル・マクアダムス

ロニートとエスティ 彼女たちの選択

2020.2.7 [FRI]ROADSHOW

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第90回アカデミー賞外国語映画賞受賞(『ナチュラルウーマン』)
セバスティアン・レリオ監督作品

出演:レイチェル・ワイズ、レイチェル・マクアダムス、アレッサンドロ・ニヴォラ
製作:フリーダ・トレスブランコ、エド・ギニー、レイチェル・ワイズ
監督:セバスティアン・レリオ 脚本:セバスティアン・レリオ、レベッカ・レンキェヴィチ
原作:ナオミ・オルダーマン 撮影監督:ダニー・コーエン
配給:ファントム・フィルム
2017年/イギリス/英語/DCP/カラー/114分/原題:Disobedience

INTRODUCTION

イントロダクション

レイチェル・ワイズ
(『女王陛下のお気に入り』アカデミー賞助演女優賞ノミネート)
レイチェル・マクアダムス
(『スポットライト 世紀のスクープ』アカデミー賞助演女優賞ノミネート)
W主演!実力派オスカー女優二人による “美しき純愛”

厳格な超正統派ユダヤ・コミュニティで生まれ育ったロニートとエスティ。惹かれあっていた二人を、コミュニティの掟は赦さなかった。信仰のもとに引き裂かれた二人は、ロニートの父の死をきっかけに数年ぶりに再会する。封印していた熱い想いが溢れ、信仰と愛の間で葛藤する二人が選んだ道とは・・・
タブーがないとされる現代社会に存在する、女性に自由のない閉鎖的な世界において、「disobedience=不服従」を貫こうとする二人の女性の“美しき純愛”に、近年アカデミー賞ノミネートが続く実力派のWレイチェルが、繊細かつ体当たりの演技で挑んでいる。

故郷を飛び出したロニートと
留まるしかなかったエスティ
運命的な再会によって
気づかされた「本当の自分」

ユダヤ教指導者の父と信仰を捨てて故郷を去り、ニューヨークで活躍するカメラマンのロニートは、自立して自由を謳歌しているようだったが、満たされてはいなかった。
幼なじみのドヴィッドと結婚し、ユダヤの掟に従って生きる教師のエスティは、信仰を守り、尊敬する夫との安定した結婚生活が幸せだと思い込もうとしていた。
運命的に再び出会った二人は、偽りの自分を捨てて本能的にお互いを求めあい、「本当の自分」を取り戻そうとする。

プロデューサー、レイチェル・ワイズが惚れ込んだ、
俊英セバスティアン・レリオ監督
(『ナチュラルウーマン』『グロリアの青春』)

本作は、フェミニズム文学の新たな旗手、気鋭のイギリス人女性作家ナオミ・オルダーマンの自伝的デビュー作に出会ったレイチェル・ワイズが、プロデューサーとして企画段階から深く入り込んだ自信作。そして、ワイズがその才能に惚れ込んで監督を依頼したのが、『ナチュラルウーマン』で第90回アカデミー賞外国語映画賞を受賞して世界的な評価を高めたセバスティアン・レリオ。葛藤して揺れ動く二人を切なく、時に大胆に映し出している。また、『女王陛下のお気に入り』『ルーム』のプロデューサーや『英国王のスピーチ』でアカデミー賞を受賞した撮影監督など、ワイズが絶大な信頼を寄せる強力な布陣がその脇を固めている。

STORY

ストーリー

「人間には反抗する力があります
生き物の中で唯一 自由意思を持つのです」

ニューヨークで写真家として活躍するロニート(レイチェル・ワイズ)に、仕事中のある日、父の死の知らせが届く。ロニートの父は厳格なユダヤ教のラビ(律法学者)で超正統派の指導者であり、信仰を捨て故郷を飛び出したロニートは、父に親子の縁を切られていた。知らせに動揺し、傷ついたロニートは、父の死と向き合うために、故郷であるイギリスのユダヤ・コミュニティへ帰ることとした。

長い髪をなびかせて突然帰ってきたロニートを、コミュニティの人々は冷たい視線で迎えた。ロニートの不意の帰郷に、ラビの息子のような存在で後継者と期待されている幼なじみのドヴィッド(アレッサンドロ・ニヴォラ)も驚きを隠せない。父が病気であることを知らされず、新聞の死亡欄に「ラビには子供がいない」と書かれたことに憤るロニートだったが、ドヴィッドと結婚したのが、同じく幼なじみのエスティ(レイチェル・マクアダムス)と知り、更にショックを受けた。

久しぶりに再会したロニートとエスティの間には、周囲の反応から重々しい空気が流れる。二人には、コミュニティの掟に抗って惹かれ合っていたのが父に知られ、引き裂かれた過去があった。父の遺産が全てシナゴーグ(ユダヤ教会)に寄付され、自分の存在が父に認められていなかったことを知ったロニートは、街で偶然会ったエスティと父の家を訪ねる。そこで、エスティは「もうどこにも行かないで欲しい」とロニートに告白し、かつて惹かれあった熱い想いが再燃してキスを交わす。信仰に従って外ではかつらを身につけ、女子校で教師をしているエスティは、ラビの死を伝えたのは自分だということ、ロニートが去ってから精神を病み、ラビの意向で、恋愛感情はないが尊敬していたドヴィッドと結婚したことを語った。

離れていた時間を取り戻すように、二人はお互いを求めあった。が、二人でいるところを目撃されたエスティは勤務先の学校で問い詰められ、それはドヴィッドにも知られることとなった。罪悪感を抱いたエスティは、信仰とロニートへの愛の間で葛藤する。「こんな関係は続けられない」と言うエスティを、ロニートは監視が続く閉鎖的なコミュニティからロンドン中心部へと連れ出す。かつての純愛によって目覚めた二人が選んだ道とは・・・

CAST

キャスト

ロニート・クルシュカ/製作
レイチェル・ワイズ

Rachel Weisz

1970年、イギリス生まれ。1995年に映画デビュー後、世界的に大ヒットした『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』(1999)にて一気に知名度が上がった。その後、続編『ハムナプトラ2/黄金のピラミッド』(2001)、ジュード・ロウ主演の戦争映画『スターリングラード』(2001)、ヒュー・グラント主演『アバウト・ア・ボーイ』(2002)、キアヌ・リーブス主演『コンスタンティン』(2005)などに出演後、『ナイロビの蜂』(2005)での演技が絶賛され、第78回アカデミー賞助演女優賞を受賞した。以降も、ダーレン・アロノフスキー監督作『ファウンテン 永遠につづく愛』(2006)、アレハンドロ・アメナーバル監督作『アレクサンドリア』(2009)、パオロ・ソレンティーノ監督作『グランドフィナーレ』(2015)、2015年カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞したヨルゴス・ランティモス監督作『ロブスター』(2015)など様々な監督と組み、実力派女優としての地位を確かなものとしてきた。近年は歴史映画『否定と肯定』(2016)に主演、『喜望峰の風に乗せて』(2018)でコリン・ファースと共演し、2018年には、ヨルゴス・ランティモス監督作『女王陛下のお気に入り』の女王の側近サラ役で、第91回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。また、『彼氏がステキになったワケ』(2003/未公開)で初めて製作を、“The Radiator” (2014)では製作総指揮を務めている。本作が2本目の製作作品となる。
エスティ・クパーマン
レイチェル・マクアダムス

Rachel McAdams

1978年、カナダ生まれ。1998年にデビュー後、リンジー・ローハン主演『ミーン・ガールズ』(2004)、『きみに読む物語』(2004)のヒロイン役などで注目を集める。ウェス・クレイヴン監督作『パニック・フライト』(2005)、オーウェン・ウィルソン主演コメディ『ウエディング・クラッシャーズ』(2005)、人気アクションミステリー『シャーロック・ホームズ』シリーズ(2009/2011)、などで幅広い役をこなし、2010年にはラブコメディ『恋とニュースのつくり方』で主演を果たす。ウディ・アレン監督作『ミッドナイト・イン・パリ』(2011)やチャニング・テイタム共演の恋愛映画『君への誓い』(2012)などに出演後、2013年にはリチャード・カーティス監督作のロマンティックコメディ『アバウト・タイム〜愛おしい時間について』に主演し、好評を博した。また、第88回アカデミー賞作品賞を受賞した『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)では助演女優賞にノミネートされ、その演技力も高く評価されている。その後もマーベル・スタジオ製作の大ヒット作『ドクター・ストレンジ』(2016)などの話題作にも出演し、人気と実力を不動のものとしている。
ドヴィッド・クパーマン
アレッサンドロ・ニヴォラ

Alessandro Nivola

1972年、アメリカ生まれ。『フェイス/オフ』(1997)、『恋の骨折り損』(2000)、『ジュラシック・パークIII』(2001)、『ココ・アヴァン・シャネル』(2009)、『グローリー/明日への行進』(2014)など多数の話題作やテレビドラマ・舞台に出演する他、デヴィッド・O・ラッセル監督作『アメリカン・ハッスル』(2013)では他のキャストと共に、全米映画俳優組合賞等を受賞。最近の出演作としては、『真夏の体温』(2017)、ホアキン・フェニックス共演、リン・ラムジー監督作、カンヌ国際映画祭で最優秀脚本賞を受賞した『ビューティフル・デイ』(2017)などがある。本作では、ロンドン映画批評家協会賞助演男優賞にノミネートされ、第21回英国インディペンデント映画賞で最優秀助演男優賞を受賞している。

STAFF

スタッフ

監督/共同脚本
セバスティアン・レリオ

Sebastián Lelio

1974年、チリ生まれ。長編初監督作品 “La Sagrada Familia(原題)” (2005)がサン・セバスチャン映画祭でプレミア上映された他、様々な映画祭で受賞して注目を集める。4作目の『グロリアの青春』(2013)は、ベルリン国際映画祭でプレミア上映されエキュメニカル審査員賞を受賞、主演のパウリーナ・ガルシアは銀熊賞(主演女優賞)に輝いた。後にインディペンデント・スピリット賞とロンドン映画批評家協会賞の外国語映画賞にノミネートされ、2014年アカデミー賞チリ代表となった。5作目の『ナチュラルウーマン』(2017)は、2017年ベルリン国際映画祭コンペティション部門でプレミア上映され、あらゆる点で高い評価を受けて銀熊賞(脚本賞)・エキュメニカル審査員賞・テディ賞を受賞した。その後も世界各国の映画祭でも絶賛され、数々の賞を受賞。2018年にはゴールデングローブ賞外国語映画賞にノミネート後、アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、世界的な評価を決定づけた。最新作は、ジュリアン・ムーア主演『グロリアの青春』セルフリメイク版 “Gloria Bell”(2020年日本公開予定)。
  • 製作フリーダ・トレスブランコ、エド・ギニー、レイチェル・ワイズ
  • 製作総指揮ローズ・ガーネット、ダニエル・バトセク、ベン・ブラウニング、グレン・バスナー、アンドリュー・ロウ、エリック・ラウファー、ジョヴァンナ・ランドール
  • 脚本セバスティアン・レリオ、レベッカ・レンキェヴィチ
  • 原作ナオミ・オルダーマン
  • 撮影監督ダニー・コーエン
  • ライン・プロデューサーレイチェル・ダーガヴェル
  • 編集ネイサン・ヌーゲント
  • ⾳楽マシュー・ハーバート
  • プロダクション・デザイナーサラ・フィンリー
  • 衣装デザインオディール・ディックス=ミロー
  • キャスティングニナ・ゴールド
  • ヘアー&メイクアップ・デザイナーマレーズ・ランガン

TRAILER

映像

予告編

INTERVIEW

インタビュー

レイチェル・ワイズ

―このプロジェクトのどこに魅かれたのですか?
私は展開させたい題材を探していました。自分が製作し出演もするという…。これは、私が見つけた最初のプロジェクトの1つでした。見事な素敵な女性の主人公が2人登場する素晴らしい物語で、私がこの小説にとても惹かれたのは、もはやタブーがほぼない現代社会における(宗教上の)罪というテーマです。disobedience(不服従)という言葉はそれにふさわしいコミュニティに場所を設定しない限り、殆ど意味を持ちません。例えばロンドン北部のユダヤ教正統派の小さな地区とかに、整然とした保守的な社会における罪の物語が見つかれば、誰もが共感できる素晴らしいユニヴァーサルなドラマを得る事になると思います。

―その小説を映画に展開(映画化)する作業はいかがでしたか?
この本を選択肢に入れてから映画を撮り始めるまで約3年掛かりました。セバスティアンと作業していく過程は、彼は半年後にプロジェクトに参加したのですが、本当にワクワクするものでした。長時間のディスカッションと脚本会議を経て、原作を変更し手を加えて独自のものを作りだすのは素晴らしい道のりでした。

―ロニートと父との関係は、どういったものだったのですか?
ロニートは父に縁を切られてから、自分の人生から父の存在を消した事に罪悪感を抱いて生きています。家を飛び出した時、父とは連絡を取らないと決めます。互いに許し合うには手遅れとなった事に後悔の念を抱きます。親が亡くなる前に親との間で許しと心の平安を手に入れるのは人生を歩んでいく上で驚くほど重要です。彼女の物語の一部は、自分の故郷から脱け出る事は出来る、でも捨て置く事は出来ない。どこへ行ってもついて回る事が描かれています。人生を自由に謳歌していると思っても、ある種の事柄には終止符を打つ必要があります。ロニートは父の病気の事を連絡されなかったため、終止符を打つ事、さようならを言う事を拒まれました。それはとても辛いことです。

レイチェル・マクアダムス

―脚本を初めて読んだ時、このプロジェクトの何に魅かれましたか?
脚本を読んで恋に落ちました。美しく描かれていてユニークで、しかもレイチェル・ワイズと仕事する機会を断れるものじゃありません。この物語は多くを語らず、それでいて複雑なところが大好きでしたね。層がいくつもあり、それでも観客の知性に心から敬意を表して情報を押し付けない…。主役3人のそれぞれ独自の物語が互いの物語とつながっていて一緒にいると本当に美しい家族になる…。とても稀な映画でした。

―エスティがロニートと居ると本来の自分になれるシーンを撮る時、どういう感じでしたか?
ロニートとホテルに居るシーンを撮るのは最高でした。2人だけで居るからエスティはありのままでいられる。セバスティアンはユダヤ教正統派地区の外での2人の暮らしはどんなだっただろうと、興味をそちらに向けて、互いに見つめ合って、どうなっていたかを思い巡らすようにと演出をつけたのです。そしてかつての行いへの後悔と、2人を離れ離れにした教えがどれほど深い傷となっているかに焦点を合わせたんです。

―この映画を観て観客には、何を感じ取って欲しいと願いますか?
本作は一個人の自由と自分の道を歩む事の意義というテーマを掘り下げています。つまりとてつもない量の希望が組み込まれた物語なのです。素晴らしいラブストーリーですが、単なる一種類の愛ではありません。神への愛、友情に対する愛、ロマンチックな愛。深刻なこの世界をちらりと覗ける、性的志向をこのように見据える物語は今まで見た事がありません。語られるべき物語です。

セバスティアン・レリオ監督

―この素材の何に魅かれ、なぜこの物語を掘り起こしたいと思ったのですか?
僕は瞬く間に、この3人の主人公に恋をした。これは3人全員のラブストーリーであり、彼らの関係がどう進展し、悲痛な日々により彼らの人生はどう影響されるのかという物語だ。

―プロデューサーとしてのレイチェル・ワイズ、俳優としての彼女と仕事した感想は?
僕がこのプロジェクトを引き受けた主な理由の一つは、レイチェル・ワイズが関わっていた事だ。僕は常に彼女を敬愛していて、彼女の反骨精神をもつロニートに魅かれずにはいられなかった。僕らは彼女がロニートを演じる事を念頭に置いて脚本を書き上げた。僕が常に敬愛してきた彼女に関するあらゆることが具現化され、光り輝くチャンスとなった。ロニートのパーソナリティーが複雑な感情を表現できる多くのチャンスを生み出した。

―ロニートとエスティの関係において、レイチェル・ワイズとマクアダムスは何をもたらしましたか?
僕はレイチェル・ワイズとレイチェル・マクアダムスの対立は、見ていて美しいだろうし凄まじい火花を散らすだろうという直感に従ったんだ。ある意味、ロニートとエスティは、2分された同一人物だと見なした。一方は逃げ出し自由になる。もう一方は留まり信仰に帰依する。でも双方とも大きな代償を払う。

―これは今、語るべき大事な物語だと、なぜ思うのですか?
本作は確たる概念の背景にあるものに立ち向かうために互いに影響し合い全力を尽くす、困惑した人間たちの物語です。これは変化を受け入れ打ち破っていこうとする人物の物語で、でもそのためには非常に堅固な構造を突き抜けなければならない。そしてその対決は世界中の人間社会が今日経験している事に連動する。そこでは古い規範は時代遅れ、あるいは不十分だ。この作品に息吹を与える事は、ある種、緊急な事だと僕は常に感じていた。